感想:スチームボーイ
(ネタバレを含みますので、本文は下の方にあります。)
未来少年、という言葉が頭を離れない。 どうも全般にどこかで見たようなアニメの継ぎ合わせに見える。 コナン、ラピュタ、ナディア、そのへんのアニメの香りがする。そのままか。 ようは鉄鋼臭いんだな。
映像は見事だが、ここのところ、アニメでも実写でも、 映像だけで驚くことはよほどのことがないかぎりないので、 それはウリにならない。 (例外的に、「メトロポリス」のオープニングはぶったまげた)。
前半のストーリーはいい感じだった。変形カーチェイスと悪党ども。古き良き時代。なのになぜ、途中から焦点がぼけてしまうのか。 まあ、科学技術に関する論点については、 何人かのキャラの語るところで語り尽くせているし、それなりに納得もする。 しかし二人の博士がなにをやろうとしていたのか、さっぱりわからない。 いや、わからない、ということを描こうとしたのだろうと思うし、 また、複数の天才と巨大な資本と無数の凡人が集まるとこんなんなっちゃうぞ、 というもの悲しい話なのかもしれない。
なんにせよ、スチーム城の目指すところがようわからんし、 主人公も行き当たりばったりで、ただのドタバタだ。 漫画で読むとこういうドタバタはおもしろいのだが、劇場だとどうも 起承転結を期待してしまう。
けっきょく、「ゆけ!スチームボーイ!」のくだりが一番おもしろかった。 あまりに唐突だが。あんなところでギャグが出てくるとは思うまい。 あとは主人公以外、好き勝手に相手の話を聞かずに動くキャラの様子は おもしろいと思った。
うーん、65点。期待しすぎたか。 ちなみにここ数年で一番良かったアニメは、間違いなく「プラネテス」。 原作とはまた違う良さが山ほど。